甲状腺って言われてもあまりピンとこないかと思います。胃や心臓、
大腸・小腸のようなメジャーなものに比べたらマイナー部類に入るの
ではないかと思います。でも、意外に大事な働きをしている器官で、
ホルモンを出して体に様々な指令を与える内分泌器官の1つです。
今回は甲状腺のつくりをテーマに書いていこうと思います。
甲状腺はのどぼとけのちょうど下の部分にある蝶々の形をした器官
です。重さは14〜18gほどあると言われています。もともと薄くて
柔らかい器官のうえ、甲状腺の周りには筋肉が多く存在しています。
そのため、健康な方であれば外から見ても分かりにくいです。
甲状腺は多数の濾胞が集まってできたものです。濾胞とは甲状腺細胞
同士が何個もくっつき合った丸い形のものを指しています。
その濾胞の1つを取り出して見ると、球体の内部は濾胞腔という空間が
存在しているのが分かります。その濾胞腔の中に、甲状腺ホルモンが
貯留されているのです(正確には甲状腺ホルモンにヨードという物質が
結合した『チログロブリン』という成分が貯留)。さらに、濾胞細胞に接
した部分には傍濾胞細胞(C細胞とも呼ばれる)という細胞が見られ、
そこからカルシトニンというホルモンが分泌されています。
上記のような細胞が集まったものを器官筋膜という膜が包んでおり、そ
の膜の周りをさらに強い線維被膜という膜がゆる〜く覆っています。そ
して、線維被膜は甲状腺と器官筋膜をゆるく覆っているため、膜と膜
の間に多少の隙間が見られます。その隙間に血管や上皮小体と呼ば
れるものが存在しています。
血管は、器官筋膜と線維被膜の間だけではなく、濾胞周辺にも毛細血管
として網目上に張り巡らされているので、その血液から甲状腺ホルモン
の原料であるヨードを運び入れたり、出来上がった甲状腺ホルモンを全
身に輸送したりします。 上皮小体は、甲状腺の後面に左右2対ずつ、
計4つほどある米粒大で重さ約0.05g〜0.3gの器官です。この上皮小体
もまた、内分泌器官でホルモンを出す器官です。上皮小体から分泌され
るホルモンはパラソルモンと呼ばれ、血中のカルシウム濃度を上昇させ
る働きを持っています。
カルシトニンって何??