甲状腺ホルモンの分泌が過剰になるために起こる内分泌疾患で、
甲状腺機能亢進症の原因のひとつです。甲状腺という器官(首の
下のほうにある蝶々型の器官)を外敵と間違えて攻撃してしまう
自己免疫疾患でもあります。ドイツの外科医バセドウ医師が見つ
けてこの名前がつけられました。なお、英語圏ではグレーヴス病、
イタリアではフラジャニ病と言われています。それぞれ見つけた人
の名前です。
本来、脳にある下垂体という部位から分泌される「甲状腺ホルモンを
もっと作りなさい、出しなさい」と命令しているホルモン(甲状腺刺激
ホルモン/TSH)が甲状腺にくっつき(くっつく場所のことをレセプター
または受容体といいます)、そのTSHの命令によって甲状腺ホルモン
(サイロキシン/T4とトリヨードサイロニン/T3)が分泌されます。
そして、その甲状腺ホルモンが全身の細胞にあるT3受容体と結合し
て、全身の活動性を高め(代謝亢進)、酸素消費と熱産生を促進
しています。
バセドウ病は、その甲状腺の受容体を攻撃する抗体(TBU/TSAb
という)が作られてしまうことで、受容体が「甲状腺ホルモンを出しなさ
い」という命令と勘違いしてしまい、多量の甲状腺ホルモンが分泌さ
れる病気です。
15〜50歳の女性に多く発症し、男性対女性の発症率は1:4と言われ
ます。ただし、甲状腺の病気の中では男性比率が高い部類に含まれ
ます(甲状腺全体の男女比は1:6)。男性が発症した場合の症状は、
女性よりも重くなりやすいという傾向が見られるようです。